
あなたのキレイをお手伝い
以下は、冊子「これからのクリーニング経営はこれだっ・・・」 (平成12年8月21日、栃木県クリーニング業生活衛生同業組合発行)から一部抜粋したものです。冊子の詳細につきましては、組合までお問い合わせください。
1.クリーニングの歴史
1859年(安政6年)今から140年前青木屋忠太が横浜市内にて西洋洗濯屋をオープンしました。ドライクリーニングは、1910年(明治43年)東京でアメリカより機械と技術を輸入してオープンしました。しかし一部の上層階級のためのクリーニング業でした。
1952年(昭和27年)クリーニング業法が制定され、1957年(昭和32年)環衛法(環境衛生関係営業の適正化に関する法律)ができました。同年栃木県を始めとする各都道府県にクリーニング業環境衛生同業組合が設立され、翌1958年(昭和33年)に全国クリーニング環境衛生同業組合連合会が設立されました。
2.クリーニング業の抱える問題点
● 料金競争の激化
昭和30年代後半の取次店の増加によって料金競争は激化し、今日に至るまで業界の最大の関心事であり、 小規模業者の経営基盤を脅かしています。
● 後継者難(少子高齢化)
さきに実施した組合の実態調査によると、経営者の年令は50代が57.5%、 50代・60代を合わせると76.5%となります。 また、現在後継者がいるのは29%で、小規模業者ほど後継者難が深刻となっています。
● 環境公害問題
我々業界に関係の深い環境問題、大気汚染、水質汚濁、悪臭、騒音、振動等、様々な規制が実施されています。 平成9年4月より水質汚濁防止法、また大気汚染防止法の一部改正があり、 有害物質の地下浸透により人々の健康に拘わる被害が生じた場合、 特定事業所に対して措置命令ができるようになりました。
● 需要の減少
景気の影響を受けにくいと言われたクリーニング業界でしたが、 長い不況で一世帯あたりのクリーニング代は年々減少してきています。 また、家庭用洗濯機、洗剤の改良、コイン式セルフクリーニング店の増加、 形状記憶等の衣類の多様化などの外的要因も、需要減少の一因となっています。
3.協業化について
環境保全が重要な課題となり、そのために法的規制がますます厳しくなっていく事を考えると、個別業者にとって、環境問題に配慮した設備を備えることは、費用等の面で困難となる場合が多いと思われます。こうした面を考慮すると共同工場を設けるか、委託するかを検討せざるを得なくなると思われます。
協業化、共同化については、全国で実施された実例から、製販分離の原則を徹底するか否かが決定的に重要であると思われます。
製販分離の原則の徹底のもと、少なくとも各自は、ドライクリーニング用の機械を手放す勇気をもって経営の構造変革を図らない限り、協業化を成功させることは不可能と思われます。
4.経営の改善に関するビジョン
● 経営路線の明確化と再認識
経営路線として、
1) 店頭持ち込み中心店
2) 外交中心店
3) 取次店方式
4) 産業クリーニング
以上を基礎にして、次のことを確認する。
1) 現在の立地条件とその変化
2) 顧客構成の現状と将来
3) 経営路線の方向付け
以上の点を明確にして、以下の努力をする。
1) 技術力
2) 価格政策
3) 店舗施設
4) サービス政策
5) 販売促進
そして自店周辺のライバル店の経営方針や実力を把握し、 自店の特徴やセールスポイントを明確にし競争力をつける必要があります。
● 従業員の労働条件の明確化
労働条件とは、
1) 勤務時間や休日などに関する勤務条件
2) 給与、諸手当等に関する賃金条件
従業員にとっての給料は、生活の手段という他に業務の評価であるという意味を持ち、 勤労意欲を高めるためにも能力を重視した、職能給金制度への転換が必要です。
● 情報化時代の顧客満足経営
クリーニング業界は、品物を預かるときに住所、TEL、名前等を聞くことができるビジネスであり、 顧客データベースを作りやすい業種です。 したがって会員制度などを作り特典等をあたえることもでき、固定客を増やすことも出来ます。
組合の調査によると、パソコンの使用目的として顧客管理をあげた会員は約50%です。
また、顧客名簿整備状況は、「作っている」「一部作っている」「作っていない」がほぼ同率、 会員制度を実施しているところは約22%となっています。
情報化社会を乗り切るためには、我々業界でもコンピュータを活用し、顧客満足経営をすべきと考えます。
5.消費者が望むクリーニング店とは (顧客満足経営の推進)
消費者が求める第一条件は、技術が良く、誤りがないことです。
具体的には次のような点となります。
イ) 汚水やシミが取れている
ロ) 仕上がりが良く出来ている
ハ) 事故がないこと
ニ) 親しみ易い店
ホ) 利用しやすい店
一般主婦にアンケートをとってみると、クリーニング店への要望として次のようなものがあがってきています。
イ) 開けておく時間を長くして欲しい。
ロ) 仕事をしなくても日曜日なども店を開けて欲しい。
ハ) クリーニング店に出せるものをもっとアピールして欲しい。(ぬいぐるみ、ブーツ等)
ニ) 仕上がりを早く。(女性は毎日着るものを替えるので、男性物より女性物を早く)
ホ) ボタン等の補修。
クリーニング店に提供してもらいたい情報は、次のようになっています。
イ) シミがついた時の応急処理法 (56.7%)
ロ) 衣類の保管方法 (46.7%)
ハ) 繊維素材の特徴 (20.3%)
なお、消費者とのトラブルでは石油系溶剤の残留による「化学やけど」が訴訟問題となるケースがあり、消費者はもちろん、個々の業者だけでなく業界全体の信用にもかかわる問題となっています。確認が難しい石油系溶剤の乾燥状態を把握するために、必ず「ドライチェッカー」を使用することも必要です。
6.経営の骨組みを太くせよ
これからの経営は、思いつき経営では成功しません。経営の骨組みとは、管理のやり方です。店主や経営者一人の思いつきでなく、小規模店であれば家族の意見を聞くようにする、また会社組織であれば月1回の社内会議は必要です。
思いつき経営は確実に失敗する時代であることを肝に銘じ、経営の骨組みを太くするためワンマンから組織経営に転換する時期であるといえます。
1) 昨年と比べ売上高はどうなっているか。
2) ライバル店を含めた地域の単価は低下していないか。
3) 来店客の地域的な分布はどうなっているか。
4) 店舗の魅力は衰えていないか。
5) 立地条件はどう変わってきているか。
6) 商圏は減少していないか。
以上のような、営業面での基本に戻った反省チェックが必要です。